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103万円はウソ!? 再確認したい扶養控除の「壁」

せっかく頑張ってバイトしたのに…

アルバイトで稼いだお金で親を泣かせたくはありませんよね。

今年は春休みにバイト先で社畜(?)生活を送っていたこともあり,アルバイトをする際の扶養控除の仕組みに関して改めて調べ直したので,ここでまとめてみようと思います。

「"103万円"ってのは聞いたことあるけど…」という人,きちんと仕組みを把握しておかないと取り返しのつかないことになるかもしれません!


「給与所得」と「雑所得・事業所得」を区別しよう!

所得には全部で9種類+その他(雑所得)があり,一言で「所得」「収入」といっても細かく分類されています。

給与所得とは,おもに勤務先から雇用される形で受ける給料やボーナスのことで,たとえば塾講をやったり,飲食店やコンビニで働いたりといった一般的なバイトで得られる収入のことです。
これに対し,個人契約での家庭教師は事業所得,模試の採点バイト,はたまたアフィリエイトなどといったものでの収入は雑所得としての扱いを受ける場合があります。

これらは税金や扶養控除の計算で扱いが変わってくるケースがあるため,「どの収入がいくらなのか」まで考えておく必要があります。


扶養控除のラインは「38万円」

まず大きなラインとなるのが,扶養控除のライン。すなわち「親の扶養に入れるかどうか」でしょう。これは,「年間の合計所得が38万円以下」というのが基準になります(基礎控除)。要するに年間所得のうち38万円分はノーカウントにしてあげますよ,というもの。携帯会社の無料通信分的なものですね。まずはこれが大前提です。
このラインを超えてしまうと,親の税金負担が重くなってしまい迷惑をかけることになります。親の所得にもよりますが,年10万円~20万円ほどの負担増になります。

特に,その年の年末時点で19歳~22歳の人は,控除額が特別に優遇されているぶん扶養を外れた時の負担増も大きくなってしまいます。


それって「103万円」では…??

扶養控除のラインといえば,「103万円」というのを耳にしている人も多いでしょう。これは半分正解で半分間違いです。

ではなぜ103万円という数字が出てくるかというと,「給与所得」には特別なオマケがついてくるからです。給与所得では,さらに65万円分がノーカウントになります(給与所得控除)。

これでようやく「103万円」と言われる理由がわかりましたね。38万円+65万円=103万円というわけです。
しかし,お気づきの方もいると思いますが,これはあくまでも「給与所得」の場合の話。それ以外の所得に関してはこの特別サービスの65万円分はついてこないため,容赦なく38万円でバッサリ…ということになります。なので所得の内訳をきちんと把握しておくことが大切になります。


採点バイト・個人契約の家庭教師などは要注意!!

最初の例でも挙げましたが,学生がよくやっているバイトでは,特にこのようなものが要注意と言えるでしょう。採点バイトの収入は「雑所得」扱いとする塾・予備校が多いようですし,個人契約での家庭教師は「業務委託」形態で「事業所得」あるいは「雑所得」扱いとなるケースが多いようです。(個人ではなく登録制のところでは派遣センターとの雇用契約の形になるため「給与所得」扱いになることが多いそう。ややこしい…)

特に掛け持ちしている場合も注意が必要です。たとえば飲食店バイトで60万円,個人の家庭教師バイトで40万円稼いだ場合,合計では103万円を超えないため大丈夫…かと思いきや,実際には次のように計算されます。

 給与所得:60万円-65万円=0円(もちろんマイナスにはなりません)
 事業所得:40万円-0万円=40万円

したがって,役所の計算上の所得は「40万円」ということになり,これは38万円をオーバーしているためアウト!なわけです。なかなか複雑ですね。

親を泣かせないためにも,バイト充している皆さん,今一度よく調べてみましょう!

 

P.S. 103万円を超えそうであれば120万円程度稼げば親の税金負担分の元もとれるかと思いますが,130万円を超えると今度は健康保険の扶養からも外れるため,自分で保険料を支払って国民保険に入らねばなりません。
さらに自分自身の所得にも課税されるようになるので,かなり負担が増えます。170万円程度稼がないと元が取れないようなので,このラインは踏み越えないようにしましょう…