横書き文書の句読点はどれが正しいのか
フォントとか文書の体裁とかの類の話は結構好きというかこだわるほうなんですが,その中でも前から気になっていたのは句読点について。
横書き文書ではおもに3通りの組み合わせがある
日本語はもともと縦書きだったわけですが,縦書きの句読点は「、。」一択だと思います。というかそれ以外見たことないです。
しかし,横書きとなるとおもに次の3通りの組み合わせが使われているようです。
①「、。」(点,丸)
②「,。」(カンマ,丸)
③「,.」(カンマ,ピリオド) ※カンマやピリオドは全角
ここまで挙げると残りの「、.」(点,ピリオド)の組み合わせは?となるかもしれませんが,これはまず見ないので除外します。
ちなみに以前ついったーでアンケートを取ってみたことがあります。
横書き文書の句読点は
— ささモン (@677R1) October 11, 2016
こんなに種類あったっけと思った方はぜひパソコンを開いてみてください。WindowsであればIMEオプションの詳細から句読点の組み合わせを選択できるメニューが見つかるはずです。
で,僕はというとここまで読んでいておわかりのとおり②の「,。」を普段使っています。これには(いちおう)大きく2つ理由があります。
文科省(文化庁)的には「,。」が正しいことになっている
まずは文部科学省の外局,文化庁が制定している「公用文作成の要領」。ここの中に次のような記述があります。
句読点は,横書きでは「,」および「。」を用いる。
というわけでどうやら②が国の定める正式な横書き句読点だそうです。実際に文科省の検定教科書なんかを見ると,横書きのものはすべて「,。」で統一されています。教科書使っていたころはこんなこと気にしてなかったですが。
ただ,国の機関のHPなどを見ると,さすがに文化庁は「,。」で統一されていますが,ほかの省庁だと「、。」なんかも見られるのであまり守られている感じはないですね。
僕の大学のHPではページによって両者が混在しているような状況でした。
読点はカンマのほうが文章が締まって見える
もうひとつの理由は,読点が「、」よりも「,」のほうが文章全体が締まって見えるから。
「今回の実験では、前回よりも精度が向上し、以下に示す結果を得た。」
「今回の実験では,前回よりも精度が向上し,以下に示す結果を得た。」
短い例文だとわかりづらいかもしれませんが,個人的には下のほうがすっきりとして見やすいように思います。
理系の文書では「,.」もよく使われる
理系の文書では,数字やアルファベットなどが多く登場します。そのときはやはり読点が「、」だとどうも座りが悪いんですよね。
「x, yを実数とし、a=1、b=2とする。」
「x, yを実数とし,a=1,b=2とする。」
やはりカンマを用いたほうが数字などとも相性がよい気がします。
さらに理系の文書の場合は,句点も「.」(ピリオド)を使うことが結構あります。理系大学生向けの教科書なんかは「,.」が使われていることが多いですし,論文も投稿先によっては「,.」が指定されているところもあると聞いたことがあります。僕も学部の卒論だけは「,.」で書きました。
普段は「,.」だとちょっと堅苦しい感じがするのと,カンマとピリオドの区別がぱっと見だとつきづらいので使っていません。
おわりに
句読点も調べてみるといろいろ議論されているようで奥が深そうです。そして僕はいまだにスマホで読点をカンマに設定する方法を知らないのですが(カンマにしたいときはわざわざ記号から入力している),もしあったら教えていただきたいです…